起床時の肩こり、首こりに悩む50代の女性にオーダーメイド枕をお作りしました
本日、オーダーメイド枕をお作りさせて頂いた女性は50代の女性(O様)です。松阪市からお越し下さいました。ありがとうございます。
ご来店のきっかけ
ご来店のきっかけは「今の枕を10年以上使用していて古くなってきた」「高さが合わない(特に横向き寝)せいか、朝起きると肩や首が痛い」というものです。
起床時の肩こりや首こり、痛みの原因は様々ですが、寝具に関して言えば
①枕の高さが合っていないので不自然な姿勢で寝ている
②枕の高さは合っているが、素材が硬すぎて首周りが圧迫され、血行不良が起こっている
③マットレスの硬さが合っていないので不自然な姿勢で寝ている
④マットレスが硬すぎて身体が圧迫され、血行不良が起こっている
⑤保温と吸湿がうまくできず、身体が冷えて血行不良が起こっている
⑥寝返りがうまくうてず、同じような姿勢が長時間続いている
この辺りが主な原因でしょうか。どれか1つが原因のこともあれば、複数が原因となっていることもあります。
肩こり・首こり・肩の痛みの原因はどこに?
カウンセリングと測定データの内容を踏まえますと、今回のO様に関しては、①の「枕の高さが合っていないので不自然な姿勢で寝ている」と③・④の「マットレスの硬さが合っていないので不自然な姿勢で寝ている」「マットレスが硬すぎて身体が圧迫され、血行不良が起こっている」が身体の不調を引き起こしている可能性が高そうに思われました。(⑤も多少は影響していそうです)
まずO様側の事情として、BMIが20と標準よりやや痩せ気味で、身体の凹凸差もやや大きめです。
次に枕は、10年以上使用しているウレタン系のもので、かなり低くつぶれている。
そしてベッドマットレスは20年前後使用したものでかなり硬め。手で触ると内部の金属スプリングの感触が分かるレベルということなので、詰め物が少なく、金属スプリングの硬さが身体にダイレクトに伝わっている状態でしょう。
こうした状況が重なってくると
【仰向き寝】
枕はそこまで問題なし。
ただマットレスに関しては問題あり。O様は身体の凹凸差が大きく、体重が軽いので、仰向きで寝ると腰のウラに隙間ができる。この状態だとマットレスが背骨を支える役割を果たせていないので、腰周辺がブリッジ状態で緊張し、背中にプレッシャーが集中する。自然と横向き寝が増える。
【横向き寝】
枕とマットレスの両方に問題あり。マットレスが硬くて肩とお尻の出っ張りを吸収できないので、骨格が歪む。また肩とお尻のプレッシャーもキツくなるので血行不良や筋肉の緊張を招く。枕に高さがあればまだ肩の負担はマシになるが、枕が低いので肩の負担は軽減できない。横向き寝は長続きせず、再び仰向き寝に戻る。
このように常に負荷がかかり続けるので、当然睡眠の質も悪くなります。特に年齢を重ねるほど筋肉量が低下し、柔軟性も低下しますから、こうしたストレス状態に対する耐性が落ち、コリや痛みを感じやすくなります。
どのように改善を目指すかは人それぞれ
このように枕とマットレスの両方に原因がある場合は、それら両方からアプローチをしていくのが理想的です。順番としてはマットレスを自分の体型と寝方に合ったものに変える、その次に枕を自分の体型とマットレスの沈み込みに合わせて作るというイメージですね。枕は非常に重要な道具である一方で、それ単体では効果を大きく発揮できるものではなく、位置付け的にはマットレスの補助寝具なので。
とはいえ、我々がそれを押し付けることはありません。あくまで現状の問題点をお伝えするだけです。「せっかくなので枕と一緒にマットレスもフィッティングして欲しい」ということであればもちろんそうさせて頂きますが、生活スタイルや予算など、取り巻く条件はお一人おひとり違いますからね。
今回はひとまずマットレスは見送って、枕だけで様子を見て頂くことになりました。
仰向き寝に関しては基本的に高さはいらないのでかなり低めに仕上げ、横向き寝に関しては少しでも肩がつぶれないように高めに仕上げました。寝返りのスムーズさや、主な寝方が仰向きということを踏まえると、横向き寝に関してはもう少し低めにという考えもアリですが、O様としては横向き寝の時に今の枕が低すぎて困っているという想いがあるわけですから、そこを汲み取っての今回の判断です。
限界はあるものの、従来の枕と比べれば快適におやすみいただけることでしょう。
O様、この度はありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。